起業のきっかけは、母の認知症でした
はじめに
ある日、もしかしたら私、認知症かも?と、これからのことを不安に思い、
家族や周りに迷惑をかけたくない・・
そんなあなたが、あなた自身のために、そしてご家族のために、
楽しく過していくキッカケになれば、
そんな想いを詰め込みました。
ある日、
ご家族が認知症と診断され、これからのことを思う時
家族だからこそ、親の老いと言う現実から目を背むけ、距離を置きたくなってしまうもの。
しかし、認知症が進んでしまったあとの家族は、みんなこう言います。
「もっと早く気付いていれば…」
認知症予備軍(MCI)の早期の段階で気が付き、適切な処置をすれば、健康な状態に戻る確率が16~40%もあります。そして、まだまだ楽しめるコトはあります。
そんなご家族の心を軽くするキッカケになれば…そんな想いを詰め込み、事業を始めました
身体的な介助を必要としない軽度認知症。サービスがあっても利用しない現状。
身体的な介助が必要がない”軽度の認知症”の場合は、自立した生活が出来るため、認知症の方本人は”介護される高齢者”と思っていません。
そうなると、勿論デイサービス(通所型介護サービス)などは、行きたがりません。
しかし、ちょっとしたお困り事は発生し、都度SOSは家族のところに来ることになります。
小さなSOSと言っても、頻繁に発生すると家族は肉体的にも精神的にも疲弊してしまいます。
家族の年代は40代後半から50代が多く、仕事と介護の両立、子どもの受験期、また自身の更年期などの体調の変化などの負担が重なります。
親は心配だけれど、、自身も仕事や家事で忙しい…。
そんな悩みを抱えている人は、一体何人いるのか?
2024年7月4日厚生労働省で発表では、65歳以上の高齢者のうち、認知症の人が約471万人(2025年度の予測)。
そのうち、自立した生活が出来うる人は、約260万人と予測されます。
更に認知症の前段階である「認知症予備軍(MCI)」の人は564万人と言われています。
この564万人(2025年度の予測)は、放置しておくといずれ認知症に移行する可能性が高くなります。
出典:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/content/10500000/001269996.pdf
元気な高齢者か、介護される高齢者のどちらかしかない?
今の日本における高齢者向けのサービスは、世界的に見るとかなり手厚い。
けれど、身体的な介助が必要な方のサービスがほとんどで、介護生活を送るか、それ以外かの二択しかない状態です。
自立した生活が出来る高齢者は、高齢者扱いしてほしくない、デイサービスにはまだ早いと感じています。
無理に行かせているうちに「私の居場所はここしかないから仕方がない」とあきらめ通う例も少なくないです。
私が高齢者になった時を想像した時、それは絶対にイヤだと思いました。
軽度認知症から重度になるまでには3年~7年と言われています。決して短くない期間です。
高齢者が自らの生活を主体的に選択している感を持たせたり、自然と社会的なつながりを得られたり居場所が必要です。
まだ自立した生活ができるうちに、楽しいことをしてほしい。
認知症とわかってからは、とにかく残りの人生を自分のやりたいことのためだけに時間を使ってほしい。
そう思っていました。
しかし、何度聞いても「特にやりたいことが無い」と母は言ってました。
そんな時、ふと近所のお祭りのポスターを見かけ、私が子どもの頃によく母がお祭りが好きで盆踊りをしていた事を思い出しました。
連れていくと、踊りも完璧に覚えていて、久しぶりに表情も明るく、元気だった頃のように戻りビックリした体験がありました。
その様子を見たとき、母はやりたいことが無いのではなく、
昔の楽しかった経験、やりたかった事、思い出を忘れてしまっただけだと気づきました。
何かのきっかけがあれば、脳が忘れてしまっても、楽しかった感情や体が自然と覚えていることなどを
呼び戻すことができると分かりました。
それから他のお祭りに行きましたが、私は仕事も家事もあり、頻繁に連れていくには限界がありました。
こんな時に誰かが代わりに連れて行ってくれたら・・そんな気持ちになりました。
しかし、ママ友みたいに気軽に預ける人はいない、かと言ってヘルパーさんのような専門の方でなくてもよいのに…
そんな想いが起業のきっかけです。